長崎県・壱岐島郷ノ浦で海面上昇「副振動」が発生!原因や起きやすい地域は?

長崎県・壱岐島郷ノ浦で海面上昇「副振動」が発生!原因や起きやすい地域は?

2020年1月27日(月)のお昼前、長崎県の郷ノ浦で海面上昇が観測されました。

 

 

船の転覆などの被害が発生する可能性があり、十分な注意が必要となっています。

 

これは、「副振動」と呼ばれるもので、津波や高潮などとは異なる現象。

 

11時35分頃には、約70センチメートルの振幅、約20分の周期で繰り返されています。



長崎県・郷ノ浦で海面上昇「副振動」が発生!

長崎県壱岐(いき)島の郷ノ浦で、海面が上昇したことが分かり気象台が注意を促した。

 

副振動は湾内や海峡などで見られることがあり、この地域は起きやすい環境となっています。

 

数十分ごとの短い周期で海面が上下する現象で、地元では「あびき」と呼ばれることもある。

 

1月24日には、長﨑気象台が、春先まで続く可能性があるとして警鐘を鳴らしていました。

 

特に、九州の西部や奄美地方などで上下の振り幅が大きくなる回数が増える見込み

 

長崎県では、1メートルの上昇が過去23年で2月~4月に合わせて21回も発生している。

2月:6回
3月:11回
4月:4回

副振動の原因は?

今回の副振動の原因は、上海の沖合で低気圧が発生することで気圧に変化が起きるため。

 

気象が原因となっている副振動は気象津波と呼ばれ、原因が分からない場合は異常潮の一種とすることも。

 

一般的には、津波や気圧変動、風などの影響で発生し、湾内で波が反射・共振して起きます

 

地形によって波の振動は異なってきますが、船や沿岸の建物に被害をもたらすこともあるので注意が必要となります。

 

しかし、原因不明のものもあり、完全に解明されているものでもないとのこと。



副振動が起きやすい地域は?

日本では、副振動が起きやすい地域はある程度決まっています。

 

特に、長崎県、熊本県、鹿児島県など九州の西岸で見られ、長崎湾では振幅が3メートルを超える場合もあるという。

 

1979年3月31日
長崎県で振幅278センチメートルを記録。長崎湾の奥の方では470センチメートルに達していたとも言われ、船をつなぎ止めている繋留ロープが切れて船が流される被害に。

 

2009年2月24日
長崎県から鹿児島県の奄美大島で観測され、熊本県の天草市では197センチメートルを観測。長崎港で157センチ、枕崎港(鹿児島)で143センチ、鹿児島県上甑島浦(かみこしきしまうら)で290センチメートルを記録した。

天草市で8棟の住宅が浸水し、鹿児島県では小型船舶30隻が転覆したり沈没したりする被害に。上甑島では、養殖していたマグロが湾に逃げ出してしまった。

 

2011年3月
東日本大震災の影響で、神奈川県箱根の芦ノ湖や、山梨県の西湖で高波が観測された。

まとめ

長崎県で発生しやすい副振動は、過去に数メートル規模となり住宅や船などに被害をもたらしているので、今回の副振動も十分な注意が必要となります。

 

1月17日は全国的に天候が崩れ、関東でも雪が観測、翌28日も積雪している場所も出ています。

 

長﨑県には、警報:暴風、波浪、注意報:雷、強風、波浪、高潮、大雨、洪水と出ているので、注意が必要となります。



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