冬の季語であり、風物詩ともなっている波の花。
パッと見はきれいで幻想的な現象ですが、近くで見てみると意外と汚ない場合も多いんですよね。
とはいえ、珍しい光景は観光客にも好まれていますし、SNS映えも期待できます。
ところで、波の花が発生する原因や見られる場所などについて見ていきたいと思います。
波の花のメカニズムや発生原因や条件は?
波の花は、海岸に泡が溜まったもので、風に吹かれれば舞い上がって非常に画になる光景を作り出してくれます。
海の中に含まれているプランクトンや海藻の粘り気が、低い水温によってさらに強い粘液となって、岩に打ち付けられて泡となるのです。
条件としては、気温が0度以下で、風が強くて岩場がある場所となります。
成分としては、もちろん塩分が含まれていますが、タンパク質・リグニン、脂質などを多く含んでいる。
界面活性剤のような役割を持ち、空気を閉じ込め表面張力によってお互いがくっつき合っています。
密度が低いため分解しにくく、強風に吹かれて海岸へ押し寄せられてくるのです。
波の花が見られる場所はどこ?
日本で波の花といえば、石川県の能登半島が有名ですね。
他には、北海道や秋田県、新潟県、福井県などの日本海側で発生し、太平洋側では見ることはできません。
見られる時期は11月~2月の寒い季節、早朝で風も強く(約7メートルほど)、波が高めで少し荒れているという条件が必要です。
石川県輪島市では、曽々木海岸や鴨ヶ浦が有名。
福井県の越前海岸や、秋田県にかほ市の象潟(きさかた)周辺でも見ることができるようですね。
北海道では、留萌(るもい)や石狩などの海岸で見られます。
波の花が災害になることもある
波の花は、雨水などで汚れた海や川、排水などが流れ出る場所では、波の花から嫌な臭いが漂ってくることがある。
ウイルスが含まれている可能性もあるので注意しておきたい。
油が流出してした際や、下水などの波の花は海に溶け込みにくくなっているので、より分解されにくい。
有害な藻類によって作り出された場合は、触ると炎症や呼吸困難引きを起こす可能性も。
当然ながら、放っておくと沿岸部の建物や車などに、塩害をもたらします。
2020年1月23日には、スペインのカタルーニャ地方で波の花が発生し、町の道路に襲いかかっています。
他にもアメリカ、オーストラリア、イギリスなどでも度々見られる。
しかし、インドで起こる波の花は特に危険性が高く、刺激臭が漂っているという。
泡で遊ぶ子供が多く、かなり危険な現状としています。
まとめ
波の花は、寒い地域の日本海で、冬にしか見ることができない珍しい現象です。
しかし、必ずしもキレイなものとは限らないので、近づく際には注意して触れないようにしましょう。
実際に近づいたら、キレイなものではないので触りたいという衝動は出ないとおもいますが、車の洗車は忘れずに。