夏の異常な熱さ、記録的な暖冬など、一年を通して気温が不安定な近年。
ニュースなどでは、「平年より高い」「平年並」などと言っていますが、そもそも平年っていつのことなのか気になりませんか?
また、平年とはいつのことのことを指しているのでしょうか?
気温を表す「平年並」の平年っていつのこと?
気温を表す際に使われる平年は、ある30年間の平均値となっています。
2020年2月時点で採用されている平年は、1981~2010年の30年間。
更新は10年ごとであるため、2011年5月から使用されずっと同じ数値なのです。
今のところ、2011年~の気温は考慮されていません。
そのため、近年の猛暑や酷暑、暖冬などは反映されていないんです。
暖冬で数値が変わるのでは?
2020年の冬は暖冬傾向で、2019年から続く雪不足によりスキー場は深刻な事態になりました。
雪のイベントでは、近隣から雪を集めるのも精一杯で、札幌雪まつりもなんとか開催できたほど。
今までも暖冬は経験してきた日本ですが、10年は平年の数値が変わらないので数値が変わる可能性があるのは次の変更のタイミングとなります。
変わるタイミング間近の数年は、温暖化によって気温が高くなっているため、実際の気温とのズレが生じてしまうことも。
このまま気温が上昇していくとなれば、今後は「平年」も高くなる。
同じ気温でも、前の年は「平年より高い」基準でも、平年値のデータが変われば「平年並」に変わる。
平年並と耳にしても、安心できるものではないのです。
平年が変わるのはいつ?
平年の基準が次に変わるのは、2021年5月からとなります。
今までの1981~2010年から、1991~2020年に変更。
1980年代が取り除かれ、異常な暑さを記録している2010年代の平均値が加わることになります。
異常な気温の高さを記録しても「平年並」となれば多くの人が違和感を覚えるかもしれませんね。
さらには、なんだ平年なんだと安心することになるのではないでしょうか。
平年並だからといって熱中症の対策を怠ってしまう可能性があります。
災害への意識の低下を招く恐れもあり、防災の備えや避難場所の確認などをやらずに安心してしまうことが懸念される。
まとめ
気温に関する「平年」は、30年間の平均値を元に算出し、現在は1981~2010年のものを採用。
10年ごとに変更され、2021年5月からは1991~2020年の30年間になります。
今後は「平年並」という表現に安心せず、それぞれ個人が熱中症や防災への意識をさらに高めていく必要がありそうだ。