温暖化、異常気象、海面の上昇・・・様々な影響を世界規模で考えなくてはならない時代。
そんななか、アメリカは異常気象を食い止めるために「気候の人工操作」に乗り出したというのです。
気候の人工操作と聞いて、ワンピースのクロコダイルのダンスパウダーを思い出す人も多いのではないでしょうか。
それが、もしかしたら実現するかもしれないというのです。
気候の人工操作・ワンピースクロコダイルのダンスパウダーが実現か?
クロコダイルが利用していたダンスパウダーは、人工的に雲を作り雨を降らせる粉のことです。
アラバスタの国王であるコブラは、自分の国に雨を降らせていた・・・という策略にはめられ反乱軍と対立。
実際は、クロコダイル率いるバロックワークスによるものでしたが、この影響で近隣の地域から雨を奪っていたのです。
この反乱を止め、国を救うためにクロコダイルと戦う麦わらの一味・・・という展開のストーリーでした。
ちなみに、ダンスパウダーは、ヨウ化銀がモデルとなっています。
ヨウ化銀は、結晶の構造が氷に似ていて、粒子を大量に大気にばらまくと雲が発生する。
人工降雨に使われたこともあるという。
ヨウ化銀は有毒な物質ですが、散布するのは微量なため人体への影響はないとしている。
アメリカ政府が気候の人工操作に取り組む
アメリカは、パリ協定から脱退し地球温暖化の問題から遠い存知となっています。
しかし、「気候工学(ジオエンジニアリング)」という分野の研究にアメリカ政府は400万ドル(約4億4,000万円)もの予算を投入するよ発表。
気候工学は、温暖化対策としても注目されている分野で、人工的に気候を操作しようというものなのです。
もう、温暖化の要因である二酸化炭素の排出量を抑えるなんてことではなく、だったら太陽光を遮ってしまえばいいという考えのようですね。
その方法は2つあり、「成層圏にエアロゾルを放出」「雲を発生させる」というもの。
これらは、「太陽放射管理(SRM)」と呼ばれ、人工的に太陽光を制御する方法として研究されているものなのです。
成層圏にエアロゾルを放出
エアロゾル(微粒子)を成層圏に人工的に入れ込み、太陽光を遮るという方法を目指しているといいます。
成層圏は、地球を取り巻く大気層の一部で、対流圏の上に存在します。
対流圏は地表から高度6~16km付近、成層圏は対流圏~高度50km付近となっています。
その成層圏に、二酸化硫黄などのエアロゾルを入れることで太陽光を調整できるとしています。
雲を発生させる
もう一つの方法としてあげられているのが、雲を発生させる技術。
海塩を利用して海の上に雲を発生できるというのです。
塩の微粒子が核となり雲が発達、雲ができれば太陽光は遮られ直射日光を避けることが可能となる。
雨を降らさないまでも、まさにダンスパウダーのようなもの。
こちらは、船が通った後に、排ガスが核となってできた「航跡雲」で、似た効果をもたらします。
気候の人工操作のデメリット
とはいえ、メリットばかりではありません。
そもそも、二酸化炭素の排出量を削減させることにはならないので、温暖化は進む一方となってしまいます。
さらに、雨の降り方にも影響を与える可能性もあり、今までと異なる時期や降水量となることも懸念される。
二酸化炭素を取り除くという方法もあるようですが、さらなる予算が必要となるため難しいとされています。
今すぐに始めるということではないものの、アメリカ政府は開き直ってしまったのでしょうか。
人間の手によって、開発・発展してきた産業や技術によって、便利さと引き替えに大気汚染や温暖化になっています。
反抗するかのように、地球は様々な災害をもたらし、今度は、それらを食い止めようと自然を操作。
そろそろ、本気で地球が怒り狂って、未曾有の大災害がやってくるのではないだろうか・・・。
まとめ
アメリカ政府が、雲を人工的に作るなどして太陽光を遮り、温暖化を緩和しようと乗り出した。
しかし、二酸化炭素を削減するという根本的なところは解決しないので、さらなる災害をもたらす可能性があるのではないかと心配になってしまう。
気候工学は地球を救う救世主となるのか・・・。
日本では、ドヤ顔が見えるくらいの名案とばかりに2020年7月1日(水)からレジ袋の有料化がスタートしますが、今さらこれっていうね。